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水産教育のバトンー引き継がれる

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 11月9日(金)放課後の家庭科室で、「水産部」のミーティングが開かれました。
 「水産部」は、宗谷の産業教育学習を進める核になっているクラブで、1年生から3年生まで全員が入部しています。この日のミーティングは、①今年度の活動の振り返り、②部長副部長の新旧交代、③3年生から下級生への「伝言」を目的としたものでした。
 水産部顧問の田中先生がまず今日のミーティングの内容とねらい、配慮することを提示し、1・2・3年生を混ぜた3グループに分かれ、それぞれで今年度の振り返りを行い、3年生から「伝言」を話してもらいました。各グループ、話し合いの進行は、3年生です。

 今年度の振り返りでは、初めて活動を体験した1年生に感想を訊いています。
「作業が、いろいろ難しかった。」
「作ってみると、たいへんだった。」
 そんな声がありつつも、みんなでやった作業に満足であった感想が出されています。
「初めてのくんせい作りは楽しかった。」
「難しかったけど、意外と楽しかった。」
 Aグループで、真っ先に手を挙げた森君は、笑顔でこんな意見を。
「みんな、イイ顔をしてやっていた。」
グループみんなの顔がほころびます。

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 今年は、稚内市が行った『食マルシェ』のイベントにも参加しました。
「思ったより早く売れた。」
「完売できてよかった。」
「誘ったら、買ってくれてうれしかった。」
「パンフレットを受け取ってもらえてうれしかった。」
「宗谷以外の人にも食べてもらえてよかった。」
「地域の人たちと交流できた。」
 『食マルシェ』参加は、子ども達の喜びとなり、大人からの激励された機会ととらえてくれたようです。

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 3年生からの「伝言」は、まず、伝統の継承を期待する声でした。
「宗谷中の伝統の部活だから、楽しんで取り組んでほしい。」
「水産部は、ここにだけしかないので、楽しんでやってほしい。」
 もしかすると、自分も先輩から言われた言葉だったかもしれません。でも、学んできたこと、体験してきたことの価値も、ちゃんと自分の中にもっています。
「大変だと思うけれども、将来役に立つこともあるので、手を抜かずにがんばってほしい。」
「これからは、ここで学んだことを生活に活かしていってください。」
 後輩たちも、先輩の「伝言」を素直に聞いています。
 グループの話し合いの後は、記録の2年生が主な意見・感想を発表し交流です。

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 顧問の田中先生が、話し合いの評価を伝えました。
「話し合いリーダーの3年生が、1年生から話を引き出したり、言い換えて発言の真意を伝えたり、してくれていました。優しさを感じました。」
「話し合う雰囲気が、とってもよかった。自然発生的な拍手も出て、よかったなと思いました。」
 なるほど、和気あいあいと話し合いは進み、たぶん、全員がグループの中で意見や感想を言っていたようだし、それをきちんと聞き入れる温かさが感じられました。
 これは、これまでの伝統とともに、4月から今までの今年の協働作業と教師集団による意図的なつながり作りが生んだものです。子ども達のがんばりとともに、先生方に感謝です。

 その後、新旧部長・副部長の挨拶があり、ミーティングは終了に向かいます。
 最後に、田中先生が産業教育の価値を伝えました。
「40年も伝統として続いているのは、大変めずらしいと思います。この学習は、地域の産業を支え、裏でいいふうにつながっている活動です。」
 もう一人の顧問の牧野先生も、子ども達を激励しました。
「先生は、全国的な研究会で、みんなのことを報告しました。参加者の人たちは『すごい。中学校の域を超えている。』と、評価してくれていましたよ。」

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 大変さはあるけれども、意外と楽しい。そして、いろいろな出会いがあり、人とのコミュニケーションの機会ともなり、そして大人の温かさや激励されることを実感できる水産教育。そして、後継者育成の契機にもなってきた水産教育。
 40年の伝統が、宗谷沿岸の今日の礎のひとつになってきたことは間違いない。この伝統を絶やさず継承させなければ…。
 そのためには、活動が子ども達の喜びとなり、子ども同士のつながり、学校と地域のつながりを形成し、子ども達が大人から激励される機会となっている現在の形をよい意味で変えずに何とかつなげていきたい。
 そんなことを決意させられた、ミーティングの機会でした。
 
 冬至までまだひと月もあるのに、窓の外はもう、すっかり暗くなっていました。