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卒業式―感動と勇気をありがとう!

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 宗谷中卒業式から、早4日が過ぎてしまいました。
 第46回卒業式の感動を何とか発信しなければと思いつつ、会議や会議準備その他に忙殺され、なかなか日誌を書けずにいました。
 おまけに、昨日は思いもよらぬ局地的な吹雪に見舞われ、スクールバス送迎時に富磯・宗谷地区がホワイトアウト状態に。富磯の生徒を迎えに行けたのは、ようやく昼になってから。その対応もあって、午前中はてんてこ舞いでした。
 何とも雪に翻弄される今冬です。

 さて、卒業式。
 卒業生のきりっとした姿、在校生の送辞・送る合唱、卒業生の答辞・応える合唱、全員による最後の合同合唱。そして、卒業生と在校生の涙…。
 その場にいたご来賓、地域の皆さん、小学校の校長先生方、阿保前宗谷中校長…誰もが異口同音に「よい卒業式でしたね」と語りかけて下さいました。

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「3年生のみなさんは、よき先輩として私たち1・2年生の手本となってくれました。」
「3年生のみなさんは、私たちの憧れの先輩です。」
「時には優しく時には厳しく、さまざまなことを教えてくれました。
 特に、仲間との絆、団結力が大切であることは繰り返し何度も教えてくれました。」
「3年生のみなさんが創ってくれた雰囲気が、
 居心地の良い学校生活に繋がっているのだと思います。」

 在校生代表の畑生徒会長は、3年生にそう送る言葉を述べ、学校のよき校風をつくってくれた先輩に対する感謝とそれを引き継いでいく決意を示しました。
「3年生のみなさんが築いた宗谷中学校の伝統を守り、受け継いでいきます。」
「私たちも後輩にしっかりと受け継いでいきます。」

 畑生徒会長が3年生にそんな思いを抱いたのは、運動会でのこと、文化祭でのこと、部活でのこと、そして何気ない日常での姿を通じてでした。
 記録1回からのスタートした運動会の全校ジャンプ。挫けそうなときに心折れずに、本番では全校生徒一致団結して跳ぶことができた時に果たした3年生の役割。
「全校ジャンプの練習を通して、認めあい、励まし合うことの大切さを学びました。」
 同じく運動会では、「3年生の団結力や仲間とのつながりの大きさを感じ、仲間とともに全力で戦うことの大切さを教えてもらいました。」とも。
 文化祭では、自分たちの手で劇を創作し、友との絆・仲間の大切さを笑いあり涙ありの物語で表現した3年生に対する尊敬の気持ちを伝えています。
「一人ひとりが役になりきり、堂々と演技をしている姿が目に焼きついています。」
 全校合唱のことも思い出深かったようです。
「練習がうまくいかず、つらくなることもありましたが、3年生のみなさんがみんなを励ましたり、褒めてくれたので最後まであきらめず、頑張ることができました。」

 そんなふうに3年生から学んだことを次は自分たちが、そう決意をもった生徒会長と2年生そして1年生をとても心強く思いました。
 行動を通して後輩をそんな気持ちにさせた3年生に、心から「ありがとう」と「立派な中学校生活だったよ」と言葉を贈りたいです。

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 ところが、3年生代表北濱君の答辞は、出だしからちょっと変わっていました。
「私たちは、ここまで来るのに、たくさんの方々に迷惑をかけてきましたが、そのたくさんの方々の支えのおかげで成長することができ、今日のこの日を迎えることができました。」
「新しい仲間と出会い、…最初は…楽しんでいました。しかし、次第に一人ひとりに自己中心的な部分が目立つようになり、小さなグループに割れて対立する状態になってしまいました。…」

 3年生は自分たちの3年間の歩みを振り返り、自分を見つめ、その中で気がついたこと、自分の弱さにも向き合い大切なこと大切にできる自分への変容を、自分たちの『成長記』として答辞にまとめてきたのでした。

・担任の先生のせいにして八つ当たりの標的にしたり、気に食わないことをすぐに態度に出してしまう自分たち。
・先生の訴えに聞く耳を持てずに、反抗してしまったこと。
・ついに周りの人たちが信じられなくなり、バラバラになった時の辛さと孤独感。
・まだ幼かった自分たち。

 答辞には卒業生全員の総意でできあがったものでした。自分の過去の未熟さ・幼さに目をそらさずに率直に振り返り表現していることに驚きました。
 
 その後、転校による仲間との別れ、お世話になった先生との別れに遭遇し、淋しさを感じ、「人との関わりを大切にしなければいけない」というかすかな気づきが芽生え始めた、と。
そして、3年生になってからは、一人ひとりがお互いを受け入れようと心がけるよう変わっていった。自分たちが変わることでクラスの雰囲気は少しずつ明るくなり、最上級生として全校を引っぱる責任をもてるようになっていったという。
 それからのがんばりと責任感の発揮は、後輩たちが熱く認めたとおりです。
 答辞には、幼かった自分達の行動への悔恨とともに、そんな自分から脱皮し、人として高まれたことの喜びと自信がにじみ出ていました。

 ところで、彼らに芽生えた「かすかな気づき」の源泉は、はたして「別れ」だけだったのでしょうか?!
 答辞には、次のようなフレーズがありました。
「先生は何度も、私たちの中が良い方に向くように努力してくれました…」
「先生は私たちの問題に常に本気で向き合い、学活の時間などに話をしてくれて立ち向かってくれました。」
「3年間担任をもってくれた牧野先生は私たちがどんな状況にあっても、全力でサポートし続けてくれ、成長のきっかけを作ってくれました。」
「先生が担任でなければ、ここまで成長できませんでした。」
「私たちは牧野先生にこの3年間、感謝を伝えてこれませんでした。この場をかりて感謝を伝えます。お世話になりました。ありがとうございました。」

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 子ども達にとことん向き合う教師。
 それは、時にはつらいことに出会い、泣きたい気持ちになった場面でも、それをぐっとこらえて気合を入れて立ち向かい、心を折らずに自分で自分を鼓舞して向かっていく教師です。
 それを可能にするのは、子ども達の荒れや反抗を、成長へのもがき、何かを伝えたいメッセージとして受けとめ、子どもをよりよく変わりたいという願いを信じ、裏切られたとしてもとことん子どもを信じて向き合う教師です。
 そうした教師と出会った時、子どもは人は信じられること、自分への叱咤激励は決して嘘ではないことに気づくのです。
 変わるのは子どもです。でも、それを触発するには、教師と周囲の大人の存在であり、適切な働きかけが必要なのです。牧野先生、本当にお疲れ様。そして、ありがとう。苦労も吹き飛びましたね!
 
 一人ひとり、かけがえがなく、可能性がい~っぱいつまった子ども。その子ども達を花開かせる。そんな教師は、なんてステキな仕事なのでしょう。
 子どもの成長を見守る中で、関わる中で、われわれもまた勇気をもらい、人間の素晴らしさについての深い学びに出会います。
 今年の宗谷中学校の卒業式は、そんな卒業式でした。

 11名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとう!
 中学校卒業までの15年間、そして最後の3年間で、良い学びをした皆さんが、それぞれの道を勇気をもって歩んでいくことを確信しています。

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