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『水産タイム発表会』―地域に見守られて

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 宗谷中学校の初冬の一大イベント=『水産タイム発表会』を26日に実施しました。
 今年も、沿岸3小の5・6年生と先生方、保護者の皆さん、地域の来賓の皆さんが宗谷中生と教職員の合計人数以上集まってくれ、報道関係者も含めると、おおよそ100名の規模で開催することができました。稚内市教育委員会から斉藤部長さんも駆けつけてくださいました。

 発表会は、各学年がそれぞれ3~4グループの少人数で行う形式になっており、34名全員が声を出す場面があります。
 各グループ、パワーポイントや実物投影機等を駆使し、目にも訴えるように工夫したプレゼンです。途中にクイズを散りばめたりもし、後輩の小学生にもわかりやすく、最後まで集中して聞いてもらえるように発表内容も工夫され、会場からどよめきや感心のため息が起こりながら進行されていきました。

 1年生の発表テーマは、「地域の方々に学ぶ漁労体験学習」。
 1年生が体験した「エビ籠作り」「エビ籠漁」について、そして『浅海増殖センター』で見学したこと、学んだことが発表内容です。

「エビ籠作りは、難しく、苦労したけれど、
 お父さん方の応援もあって作ることができて良かったです。
「エビ籠にはたくさんの工夫がされていて、
 漁師さんの思いがつまっていると感じました。」
「エビ籠漁は、地域の人たちの協力があって体験ができました。
 ありがとうございます。」
 なかなか泣かせることを言います。
「クイズです。今年のエビは何匹獲れたでしょう? 次の3つから選んでください。」
 会場も笑顔で反応し、3択に手を挙げてくれます。答えは、226匹でした。
「エビ籠で、エビの入り口の名前は?!」「①あなご ②じょうご ③ひょうご」
 会場が笑いに包まれました。答えは「ひょうご」ではなく、「じょうご」。
「エビ以外にエビ籠に入った生き物は何でしょう?!」
 何でしょう? 1位はヤドカリ。2位がツブで、3位がカニだったとか。
 へえ~と、驚きの声があがりました。

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 2年生のテーマは、「地域の方々に学び、地域の方々とふれあう加工体験学習」。
 カネニ台丸谷加工場見学で学んでこと、タコ燻製の作り方、燻製地域アンケート考察を、映像やデータを活用し、ゆかいな寸劇も交えて発表しました。

 「工場見学」グループの発表では、宗谷のタコが主に関東方面に出荷されていること、1日の水揚げ・加工量が15トンにも上ること、1日の電気代が150万円もかかっていることが報告され、会場からはどよめきも。
 「タコ燻製の作り方」グループ発表では、燻製作業時の服装や製造工程を写真などが紹介されました。食べ物を扱っているために衛生面にきちんと配慮していること、手のかかる作業をがんばっている姿を改めて小学生や地域の人たちにわかってもらえたのではないでしょうか。
 「地域アンケート考察」グループでは、212通集まったアンケートを円グラフ化して表示し、数値から分析した考察を発表。どの項目も、ありがたいことに、「とてもよい」が多かったようです。けれども、それに甘んじることなく、課題に気づいたり、次年度につなげる考察を加えたりしていました。
「燻煙は『丁度良い』が82%で一番多かったけれども、『かかり過ぎ』という意見も
 あった。来年に活かしてほしいと思います。」
「『とてもおいしかった』『手のかかる作業、がんばって』という励ましの声もあり、
 とても嬉しかったです。」
 2年生も、地域への感謝の言葉を告げました。

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 3年生発表のテーマは、「生徒の生き方の発見につながる流通分野の学習」。
 販売実習に向けて学んだこと、ホタテ殻むき学習について、ホタテ燻製を販売するまで、販売実習で学んだことの4つを、『ホタテン』が進行役になって発表しました。

 「ホタテ殻むき学習」の発表では、裁縫仕立ての本物そっくりなホタテ模型が登場。
「まず、貝殻の間に殻むき器を差し込み、小柱というのを切ると、貝が開きます。」
 実物投影機の下で、殻むき器を模型の二枚貝の間に差し込んで、小柱を切って貝を開くと、貝柱・卵・ひも・ウロが本物と同じように貝の中に鎮座しているのが、モニターの大画面に映し出されました。ほうと、感心の声が。
「次に、ウロをとり、卵とひもをとり、最後にまた殻むき器でそいで、
 貝柱を貝からはずします。」
 説明に合わせて、模型のウロがはずされ、卵がはずされ、ひもがはずされ、最後に貝の真ん中に白い貝柱だけが残され、殻むき器によって、はずされました。お見事!
 流通の仕組みも発表されました。
 今年の宗谷中ホタテ燻製は、1袋18円の利益を乗せて225円で出荷され、お店では398円で販売されました。
 材料費に利益を乗せて中学校から漁協に出荷し、漁協→市場→配送センター→小売店と経ていくうちに運賃や利益が上乗せされ価格が決まっていく。その様子をトラックの模型と数字カードを使って紹介。小学生にも、からくりが伝わったのでは?
「学習を通じて、これまで知らなかった宗谷についての知識をえることができました。」
「職業への関心が高まり、仕事の大変さを実感しました。」
「この学習は、地域の人の支えがあってできる学習です。
 感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。」
 3年生もまた、地域への感謝を伝えました。

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 最後に、ゲストアドバイザーの加賀谷一行さんから、講評をいただきました。
「各学年、各グループの発表、とてもわかりやすく、聞いていてよくわかりました。
 1年生が籠作りを通じて『漁師さんの思いがわかった』と感じてくれて、嬉しかった。
 漁師は何十年も同じことをしているが、大漁するように工夫します。
 また、風の向き、波の大きさ、水温など常日頃気にしています。・・・
 3年生の札幌での販売活動のVTRを見て、よく声が出ていて、
 素晴らしい実習をしてきたと感じました。・・・
 生徒の皆さんが『地域に感謝』と言ってくれたけれど、宗谷中には逆に
 地域に力添えをいただいていると思います。かえって感謝したいです。
 燻製を製造・販売しているのは、中学校では道内ではたぶん宗谷中1校のみ。
 宗谷中の活動に誇りをもって、もっともっとがんばってもらいたいです。
 産業学習は胸を張って誇れる学習です。
 これからもぜひ、継続させていってほしいです。・・・」

 とてもありがたい、子ども達と学校を大いに激励してくれる講評をいただきました。
 宗谷中産業学習が地域に根ざした教育活動であり、継続・継承を大いに期待されていること、地域の次代を担う子ども達に皆さん温かい目を注ぎ、子ども達がまっすぐ育つように激励を惜しみない心をもっていること、学校が地域の願いに応えて教育活動を創造し子ども達の成長に全力を尽くすこと・・・たくさんのことを感じさせられた講評であり、発表会の会場の空気でした。
 それから、こうした地域の温かさと期待と日頃からの支援を、子ども達もちゃんとわかってくれていた。各学年、各グループが異口同音に「地域への感謝」にありがとうと気持ちを述べました。これも、本当に嬉しいことです。
 温かくされている・愛されている・支えられているという実感が感謝の気持ちを育み、次への意欲・困難にも立ち向かっていく勇気を大きくし、「かしこく・やさしく・たくましく」子ども達は育っていくのだと思います。
 参観に来てくださった皆さん、そして日頃からの地域の皆さんの応援・激励に、改めて感謝いたします。本当に、ありがとうございました。

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