記事一覧

『読書感想文コンクール』から

ファイル 251-1.jpg

 8日(日)、市立図書館において、『読書感想文コンクール』表彰式が行われました。
 本校から、優秀作・佳作に選出され、表彰の栄誉に浴した生徒が2名も出ました。
 1年生の優斗君と3年生の亜里香さんです。
 2名とも表彰式に臨み、稚内市教育委員会表教育長より表彰状を授与されました。
「おめでとう。」と声をかけると、二人ともはにかんだ笑顔で、
「ありがとうございます。」と応えてくれました。 

ファイル 251-2.jpg

 優斗君の受賞作は、『「手紙屋」を読んで』。『手紙屋』は喜多川泰さんが書いた本のようです。私は読んだことはないのですが、興味が引かれるタイトルです。
 感想文の冒頭は、こんな出だしになっています。

 「何のために勉強するのだろう」僕は勉強が嫌いで、このことをよく思います。この本はその疑問を解決していく物語になっていて、とても興味を持ち、この本を感想文に書こうと選びました。
 主人公の和花は僕と同じく、勉強が嫌いで「何のためにやるんだろう」と思っています。
 夏休み兄の所に行くことになったのですが、そこで兄もやった手紙屋との手紙のやりとりをする事になります。手紙屋とは、手紙を通じて悩みの相談に乗ってくれる人のことです。和花は勉強をお題に手紙を書きます。手紙のやりとりの中で、「勉強の大切さ」を知っていき、最後には和花の運命も変えてしまうのです。・・・

 優斗君自身、この本の中で、いろいろな「心に残る言葉」に出会いました。
「勉強は1つの道具である」
「成功するために必要なものは方法ではなく行動」
「困難を可能にするのは『意志』なのだ」
「すべての教科が、人生を豊かにする」
「今日一日の勉強が将来の世界を大きく変える」
 優斗君は、これらの言葉から考えを巡らせ、不思議に思ったり、自分のこれまでと付き合わせて合点がいったり、納得したり、そうは思えないと思ったりします。
 そして、次のように結んでいます。

 僕はこれから勉強と言う道具を生かして、将来の自分の人生をできるだけ豊かにしていけるようにしたいと思いました。しかし、すぐには勉強を好きにはなれません。なので、この本に書かれた勉強の豊かさを信じて・・・少しずつ勉強を好きになって、将来につながって行ければいいと思っています。

ファイル 251-3.jpg

 亜里香さんの感想文も、印象的な出だしから始まります。

 みなさんは、これまでに死にたいと思ったことはありますか? 私は何回かあります。ですが、この本を読んだら簡単に死にたいと言ってはいけないな、と思えました。
 この本を読んだきっかけは、題名に興味が湧き、裏表紙を読むと「どんなキツいことがあっても耐えられるという星のかけら」と書いてあり、さらに興味が湧いたので読んでみました。

 亜里香さんの感想文タイトルは、『「星のかけら」を読んで』です。

 星のかけらとは、それを手に入れたらどんなキツいことがあっても耐えられるお守りで、誰かが死んだ交通事故の現場に落ちているという噂をきき、いじめられっ子のユウキ、塾で知り合ったマサヤ、ユウキの幼なじみのエリカの3人が、昔交通事故にあった現場に行くと、6年前に交通事故で死んだ幽霊のフミちゃんと出会います。
 これをきっかけに、生きること死ぬことについて3人が深く知っていき、これから強く生きることを心に決めるお話です。

 亜里香さんは本の中で、「私の心が動かされたセリフが2つあります。」と書いています。
1つめは、エリカがユウキに言った、
「人間ってさ、みんな、ぎりぎりのところで生きているんじゃないっていう気がするの。」
2つめは、フミちゃんのお母さんが言った、
「『死ぬ』っていうのはただ、『いなくなる』っていうだけじゃないの。
 『生きられなくなっちゃう』ってことなの。」

 この本の中のこうしたセリフなどを通じて、感じたり考えたりした亜里香さんは、次のように感想文を結んでいます。

 ・・・生きたくても生きられなくなってしまった人はたくさんいると考えたら、簡単に死にたいなんて言ってはならないんだなと思います。人は生まれてきて、そして、最後まで生きたら、それだけ色々な経験や思い出など、生きてたくさん出来ることがあるからです。
 今、私は死について、生きることについて考える良い機会を得られました。それも、『星のかけら』を読んだおかげです。

ファイル 251-4.jpg

 読書って、いいですね。
 いろいろな人の生き方や考えにふれることができる。
 自分ができない体験を感じたり学んだりすることもできる。
 子ども達の読書は、目の前の世界を広げ、見える景色を彩り豊かにするのです。

 『読書感想文コンクール』審査委員長の先生が『読書感想文コンクール読書感想文集』の「総評」でこんなことを記しています。

 ・・・審査で読ませていただく読書感想文の中には、書くことのたいへんさよりも、「読書をして成長できた!」「登場人物に会えてよかった!」という気持ちがいっぱいあふれています。
 ・・・本を読みながら一喜一憂し、喜怒哀楽を感じた「熱」や「生の感情」が、そして、人に伝えるためによりわかりやすい文章にしようという気持ちが、文字や文章から伝わってくるのです。読書感想文を書いているみなさんは、もはや「作家」そのものです。
 ・・・「作家」さんを温かく見守っていただいたご家庭のみなさん、また、ご指導いただいた先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。

 私もまた、感想文にチャレンジした子ども達とそれを奨励し支えてくれた先生方、そしてがんばりを見守り努力したことを認めて励まして下さった保護者の皆さんに、心より感謝いたします。
 楽しい読書、ぜひ家族みんなで「家読(うちどく)」を! 

ファイル 251-5.jpg